サドルの下に埋め込むインブリッジタイプです。サドルを介して受け取った弦からの振動を電気信号に変換します。そのため、ボディの形態やボディの振動はあまり関係なく、ピックアップの特性に依存したサウンドになります。ぷりぷりっとしたゴム臭いようなサウンドが特徴で、ボディの影響を受けにくいため、ハウリングマージンが高いという大きなメリットがあります。一方で、弦の振動はピックアップという壁を通して伝わることになり、楽器の生音はどうしても変化してしまいます。とても手軽なピックアップのため多くのエレアコやギターへの取り付けが行われています。Ovationなど独特のサウンドもこのアンダーサドルタイプです。同じサドルの下に内蔵するものでもいくつかの種類があります。
♣ピエゾ素子(セラミック素子)タイプ
ピエゾ素子を使用し2mm程度の厚みがある硬く棒状にしたタイプで、代表的なものにはFishmanがあります。このタイプは比較的製品誤差が大きく、実は取り付けが難しいピックアップでもあります。アンフィニカスタムワークスでは、良いサウンドを得るため、しっかりと各弦のサウンドバランス調整をおこない取り付け、プロユーザーの方をはじめ、サウンドエンジニアの方からも定評いただいています。
♣樹脂フィルムに銀を蒸着加工したフィルムタイプ
L.R.Baggsや、B・BAND等で使用されているタイプです。このタイプは比較的薄く、サドルの高さが殆ど変わらず平面性が高く、サドルの加工が容易でセッティングも楽です。一方、欠点としてはフィルムタイプであるがゆえにシールド性が低く、外来ノイズの影響を受けやすいタイプが多いです。L.R.Baggsのエレメントのようにシールドで覆われたタイプなら効果が絶大ですが、そうでないものは使用環境次第で「ぶ~ん」というハムノイズに悩まされてしまうこともあります。
♣サンド粒子タイプ
代表的なものとしてはHIGHLANDERがあります。このタイプは、チューブの中に封入されたピエゾ粒子が圧を受けることで発電を行うタイプマグネティックイヤフォンと同じ原理です。アンダーサドルの中では比較的エネルギーが強く、ノイズにも強い構造ですが、チューブの中を粒子が動くため、弦の張り方を間違えるとサウンドバランスが変化してしまうという欠点があります。そのため、HIGHLANDERなどのピックアップを搭載したギターは、可能であれば弦を1本づつ換えることで、そのバランスの変化を最小限にすることができます。
♣パラスティックタイプ
Takamineや、T'sTの一部、Matonなどで使用されているタイプです。これは独立したポールピースを持つピエゾピックアップで、ブリッジ裏側から取り付けを行うピックアップで後付けが難しいタイプです。後付けを行うには、1度ブリッジを取り外しブリッジの裏面を加工する必要があります。サウンド面では、弦の振動をダイレクトに取得し発音するためボディの影響を受けません。一方、ピックアップそのものの支配力が大きく、同じピックアップを違うボディに付けてもサウンドが似てしまう傾向にあります。最大の欠点は 生音が大きく変化してしまうことです。サドルの下にピックアップを挟むという形態であるが故に、サドルからの振動は少なからずスポイルされてしまいます。そのため、生での演奏が多いという場合はお勧めしにくいピックアップですが、バンドものなどラインサウンドの割合が6割を超える用途であれば取り付けても良いかなというピックアップです。